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粘弾性材料#

構造解析ソフトウェア Advance/FrontSTR 事例

粘弾性とは#

粘弾性材料は弾性の特性と粘性の特性を併せ持つ材料であり、ゴムやプラスチックなどの高分子材料が該当します。 弾性特性はバネで、粘性特性はダッシュポットで表現され、粘弾性特性を示す物理モデルとしては、Maxwell(マックスウェル)モデルとKelvin-Voight(フォークト)モデルが知られています。

図1 粘弾性特性を示す物理モデル

Advance/FrontSTRでは、一般化されたMaxwellモデルを実装しており、準静的解析(!VISCO)や動的解析(!DYNAMIC)で使用可能です。

図2 一般化Maxwall

時刻 における緩和弾性率 は、下記のProny級数によって定義されます。

解析事例(1) 応力緩和#

応力緩和とは、ある物体に一定ひずみの条件を与えた際に、時間経過と共に応力が低下する現象をさします。

こちらの例題では、片持ち梁のモデルに一定の強制変位を与えた動解析により、一定ひずみの条件での応力緩和状態を解析しています。

応力緩和 条件

項目
弾性率
ポアソン比
緩和係数
緩和時間

解析結果では、時間経過と共に応力緩和される現象が再現されています。応力の時間履歴を線形スケールと対数スケールで表示した結果です。

応力緩和 結果

解析事例(2) 弾性クリープ#

クリープとは、ある物体に一定の外力を与えた際に、時間経過と共にひずみが変化する現象をさします。

粘弾性材料を使用した場合は、弾性クリープ(可逆クリープ)となります。クリープ現象は粘塑性材料を使用し不可逆クリープを解析することも可能です。

こちらの例題では、片持ち梁のモデルに一定荷重を与えた動解析により、一定応力の条件でのクリープ現象を解析しています。

弾性クリープ

解析事例(3) 単振動#

粘弾性材料を用いた片持ち梁の単振動の解析結果です。梁の自由端に一定の荷重を与え続けた時刻歴応答解析により、梁には単振動が生じます。

弾性材料の結果と比較すると、粘性による減衰効果と位相遅れによる振動周期の変化が確認できます。

単振動

その他#

粘弾性材料に関するより詳しい内容は、構造解析ソフトウェアAdvance/FrontSTR Ver.6.0 ご紹介セミナー(2019年)の資料をご確認ください。

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