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孟宗竹の異方性を考慮した静解析#

構造解析ソフトウェア Advance/FrontSTR 事例

異方性材料とは、方向により材料特性が異なる材料の事で、木材、鉄筋コンクリート、繊維強化プラスチック(CFRP、GFRPなど)などが相当します。

ここでは、一方向繊維強化材料とみなした孟宗竹の板材に、集中荷重を与えた際の変形を確認します。

解析条件#

解析モデル#

  • 板形状(20x20x2mm)
  • 線形静解析
  • 四隅を完全拘束
  • 中央に集中荷重(1N)負荷
  • 直交異方性材料

異方性 モデル

材料物性1#

項目 記号 備考
縦弾性係数 16.01 GPa 繊維方向
2.00 GPa 繊維直角面内方向
2.00 GPa 繊維直角面外方向
せん断弾性係数 6.158 GPa
6.158 GPa
0.935 GPa
ポアソン比 0.3
0.3
0.07

解析結果#

下に変形および変形分布図を示します。これらから繊維方向(X軸方向)に沿った曲げの変形が大きいことが分かります。 すなわち、孟宗竹の繊維方向と繊維に垂直な方向の特性の違いが確認できます。

異方性 変形図

また繊維方向の中央断面における応力分布図を下に示します。繊維方向応力(STRESS XX)は、繊維直角方向応力(STRESS YY)に比較して大きいことが分かります。

異方性 応力分布

関連ページ#


  1. 有尾一郎, et al. 竹の異方性組織構造に観る複合積層モデルに関する力学的考察 (< 特集> 生体材料のバイオエンジニアリング). 日本機械学会論文集 A 編, 2003, 69.677: 148-153.