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偏土圧をうけるカルバートの解析事例#

社会インフラであるカルバートの設計や点検作業の効率化にむけてカルバートの変状等の要因の分析が行われています。その一環として偏土圧が与える影響をFEMで解析します。

解析概要#

車道や人道の地下道路として使われるカルバートが傾斜地盤下にある場合を想定し、その変形応力状態を有限要素法で解析します。カルバートは地中にあるため、土圧をうけるとともに、地盤のバネによって支持されています。カルバート内壁に発生するひずみ分布を求め、相対的に厳しい箇所を把握します。カルバ-トの剛性は鉄筋コンクリートとみなして設定しますが、配筋は一様であるとして、その方向は考慮しません。


図 1 解析モデル



  1. 斜めに盛り上がった土手状の下方にカルバートが貫通しています。斜めの土手の高さはカルバート頂面から高い方で 3m と低い方で 1m に設定します。
  2. カルバートは上り下りの 2 車線を有すとし横幅 11m *高さ 5.4m に設定します。
  3. 地盤の底面と側面は固定(3 方向支持)地盤下部の前後面も固定(3 方向支持)します。
  4. カルバートの外側面&天板に土圧をかける。入口、出口の前後面は大気開放とします。
  5. カルバートの長さは 20m に設定します。

材質#

構造区分 材質 備考
地盤 弾性
砂質土
ヤング率 ;26000kPa
ポアソン比;0.3
カルバート 弾性
鉄筋コンクリート
ヤング率;25000000kPa
ポアソン比;0.3

土圧荷重#


図1 荷重分布
項目 意味 単位
土被り
土の単位体積重量(19)
土圧係数(0.4)
上載土による鉛直土圧
地表面からの深さ における水平土圧

解析結果#

  1. 天板の幅のほぼ中央に引張ひずみが集中します。開口端ではさらにひずみが増加します。
  2. 底版のひずみは天板よりひずみが小さいです。開口端では同様にひずみが増加します。
  3. 側壁にはほぼ圧縮ひずみが見られるが絶対値は小さいです。

図2 カルバートの変形、地盤の沈下量(m)

図3 コンクリート内表面のひずみ分布

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