膜要素を使用したバルーンの膨らみ解析#
膜要素を使用し、バルーンの膨らみ現象を解析した事例をご紹介します。
膜要素について#
膜構造とは?
- 面内剛性しかない2次元構造(曲げ剛性=0)
- 例えば、、、東京ドームの屋根、風船、布、細胞膜など

図1 膜構造の例
膜要素が対応する解析機能
- Advance/FrontSTRで実行できるすべての解析種類(!STATIC、!DYNAMIC etc...)
- 線形解析、幾何学的非線形解析、接触解析(slave面として)
- 材料非線形:弾性、粘弾性
解析条件#
図2に示す萎んだ風船のメッシュに、ガスの注入を想定した内圧を負荷し、膨らむ過程を解析します。
項目 | 値 |
---|---|
要素タイプ | 三角形一次要素 MTRIA3 |
材質 | St.Venant-Kirchhoff超弾性材 ヤング率 E=1000 MPa ポアソン比 ν=0.25 |
解析種類 | 時刻歴応答解析 |
解析手法 | HHT-α法 |
荷重条件 | 風船全体に面圧負荷(時間依存) ![]() |
境界条件 | ガス注入口を拘束 |
ソルバー | 直接法 |

図2 解析モデル
解析結果#
この解析事例では、風船が大きく変形して、空間で大きな剛体移動や回転を生じながら、圧力方向は常に変化しています。
解析の結果、これらの問題を適切に再現できていることが確認できました。
変形図#
解析結果として、0秒、360秒、540秒、730秒における変形図を示します。 バルーンは膨張した後に、ガス注入部付近の折れを広げる方向に変形していきます。

図3 変形図
変形アニメーション#
応力分布図#
730秒におけるVon Mises応力分布図がこちらです。

図4 応力分布図
関連ページ#
- 構造解析ソフトウェア Advance/FrontSTR
- 解析分野:構造
- 産業分野:建築土木
- 産業分野:産業機械