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バルブ遮断時の圧力波伝播解析#

管路系流体解析ソフトウェア Advance/FrontNet 事例

解析目的#

バルブ遮断時の圧力波の伝播の解析精度を調べます。

また、陽解法と陰解法の解法の比較を行い、計算精度や計算時間を比較します。

解析モデル・条件#

下図のように、タンク出口に分岐管があり、一方は閉止端です。

もう一方に電動閉止弁が設置されています。

時刻10sに電動閉止弁を0.05sで全閉したときの各部圧力変化を調べます。

測定器がP1~P5の位置に取り付けられています。作動流体は空気です。

図1 試験条件

図1 試験条件

Advance/FrontNet/ΓGUIによる設定画面#

図2 Advance/FrontNet/Γ による計算モデル

図2 Advance/FrontNet/Γ による計算モデル

解析結果と計算時間#

図3に計算結果を示します。測定値は四角で示されています。陽解法による結果は実線(赤)、陰解法のCourant数0.1の結果は実線(青)、陰解法のCourant数1.0の結果は実線(緑)で示されています。

陽解法と陰解法のCourant数0.1の結果はほぼ一致し、第1ピークで実測値を上回っているものの、その後の圧力波をよく再現しています。陰解法のCourant数1.0の結果は第3ピークまで実測値を再現し、その後はなまっています。

図3 計算結果の比較(P4の位置)

図3 計算結果の比較(P4の位置)

表 8に解法と計算時間の比較をまとめます。陰解法は陽解法の0.1~0.5倍の計算速度でした。

表8 解法と計算時間の比較

解法、計算条件 評価 計算時間の比率
陽解法、Courant数0.99(※1) 実測値をよい精度で再現 1
陰解法、Courant数0.10(※2) 陽解法と同等 0.5
陰解法、Courant数1.00(※2) 圧力波は第3ピークまでほぼ再現、その後鈍る 0.1

注) (※1)音速基準、(※2)流速基準

参考またはご協力#

測定条件および測定値は重工メーカー殿よりご提供いただきました。

バルブ遮断時の圧力波伝播解析まとめ#

バルブ遮断時の圧力波伝播解析を行い、計算結果は測定値をよく再現することを確認しました。

陽解法と陰解法の比較を行い、Courant数が小さい場合は陰解法が陽解法の結果をよく再現できることが分かりました。また、陰解法では陽解法の数倍の速さで計算が可能でした。

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