パッシブスカラーによる爆発時のPu燃料輸送解析#
解析目的#
再処理施設におけるプルトニウム燃料爆発の事例において、爆発時の煤煙に酸化プルトニウムが付着してエアロゾルの状態にあると仮定し、このエアロゾルをパッシブスカラーで取り扱い、パッシブスカラーの解析機能を確認します。
解析モデル・条件#
図1のように、プルトニウム燃料濃縮工程の換気系におけるフィルターおよびブロア部分を計算対象とします。爆発による圧力、温度、エアロゾル濃度の時間変化を図2、図3、図4のように想定しますPAフィルターの目詰まりも考慮します。
図1 換気系におけるフィルターおよびブロア
図2 爆発を想定した流入圧力条件
図3 爆発を想定した流入温度条件
図4 爆発を想定した流入エアロゾル条件
解析結果#
図5に圧力分布の時間変化を示します。圧力波が末端まで伝播し、1.26sでは反射していることが分かります。
図6にエアロゾル濃度分布の時間変化を示します。エアロゾルがフィルターで吸着され、末端まで流出していないことが分かります。
図7にフィルターのエアロゾル吸着量、図8にフィルターの差圧変化を示します。フィルターにエアロゾルが吸着し、フィルターが目詰まりを起こし、差圧が変化した様子が分かります。
図5 圧力分布の変化
図6 エアロゾル濃度分布の変化
図7 フィルターのエアロゾル吸着量件
図8 フィルターの差圧変化
参考またはご協力#
西尾軍治ほか、「再処理施設の火災・爆発時におけるセル換気系の完全性解析コード(CELVA-1D)」、JAERI-Data/Code 98-017 (1998.3)
パッシブスカラーによる爆発時のPu燃料輸送解析のまとめ#
液体Naによる炉心冷却系でポンプトリップを想定した計算を行いました。
流動計算では、爆発時の急激な圧力上昇、温度上昇や逆流および密度変化を計算しました。フィルターモデルでは、エアロゾルの吸着と目詰りによる圧損上昇を考慮しました。フィルターによってエアロゾルが吸着され、下流側への流出を防ぐ様子をパッシブスカラー輸送モデルを用いてシミュレーションすることができました。