ガス管網定常解析#
解析目的#
都市ガス工業概要(供給編)平成15年改訂版日本ガス協会(P24の例題)と同じ設定の解析を行い、結果を比較します。
管網定常解析が適切に行われているかをベンチマークします。
解析モデル・条件#
図1のようにガバナで圧力が固定されており、各点からガスが消費されています。 ガバナを圧力指定条件、消費点を流量指定条件として解析を行い、各配管の定常流量を求めます。
なお、例題ではガス比重を0.6(空気の密度を1.293kg/m3)としているため、例題にある体積流量から質量流量へ換算する際にはこの数値を用いました。
Advance/FrontNet/Γの解析では密度変化を考慮し、メタンの実流体物性を用いました。
図1 管路網と配管形状、消費量
Advance/FrontNet/ΓGUIによる設定画面#
図2 管路網の設定
表1 摩擦係数の条件
ライン | 流量係数(参考文献) | ダルシーの管摩擦係数(Advance/FrontNet/Γ) |
---|---|---|
GA間 | 0.782(ポールの係数) | 9.8525E-3 |
AB間 | 0.707(米花の係数) | 1.2053E-2 |
BC間 | 0.707 (米花の係数) | 1.2053E0 |
CD間 | 0.707 (米花の係数) | 1.2053E0 |
AD間 | 0.707 (米花の係数) | 1.2053E0 |
解析結果の比較#
図3 参考文献のハーディクロス法による定常流量
図4 Advance/FrontNet/Γによる各配管の定常流量
表2 定常流量の比較
ライン | 例題 [kg/s] | Advance/FrontNet/Γ [kg/s] | 誤差[%] |
---|---|---|---|
GA間 | 0.1293 | 0.1294 | 0.08 |
AB間 | 0.05625 | 0.05577 | -0.85 |
BC間 | 0.04547 | 0.04500 | -1.03 |
CD間 | 0.01315 | 0.01265 | -3.80 |
AD間 | 0.02995 | 0.03047 | 1.74 |
参考またはご協力#
参考文献 日本ガス協会 「都市ガス工業概要」(供給編)平成15年改訂版 P24
ガス管網定常解析まとめ#
Advance/FrontNet/Γによる数値計算の解と参考文献の定常流量は、計算手法や密度変化を考慮している点が異なるものの、4%以内の誤差で一致を示しました。