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コークス炉におけるブロワトリップ時のガスホルダー影響検討#

管路系流体解析ソフトウェア Advance/FrontNet 事例

ブロワトリップ時において、ガスホルダー有無による管路系への影響を検討します。

解析モデルと条件(ガスホルダー無し)#

図1に示しますように、左側からCガスが流れ、ブロワで昇圧しているコークス炉の管路系を対象とします。ブロワが時刻100 sに時定数0.1 sでトリップした場合の管路系への影響を調べます。

図1 解析モデルと解析条件(上)
図1 解析モデルと解析条件(下)

図1 解析モデルと解析条件

解析結果(ガスホルダー無し)#

図2に計算結果(圧力の時間変化)と対応する位置を示します。
ブロワ出口(赤)では、ブロワ動力喪失で昇圧が下がり、圧力が下がっています。
ブロワ入口(緑)では、ブロワ動力喪失で流れが行き詰まり、慣性によって圧縮され、圧力上昇が起こっています。
消費点付近(黒)には、ブロワ入口の圧力波が伝播しています。

図2 計算結果(圧力の時間変化)とその位置

図2 計算結果(圧力の時間変化)とその位置

図3に計算結果(流量の時間変化)を示します。
ブロワ出口(赤)では、ブロワ動力喪失で昇圧が下がり、流量が減り、出口圧力境界からの逆流が起こっています。ただし、本計算では下流側の圧力が一定であることを想定しています。
ブロワ入口(緑)でも、時間差で逆流が起こっています。
消費点付近(黒)には、圧力波の影響で流量変動が起こっていますが、やがて下流側の流量境界の指定値に至っています。

図3 計算結果(流量の時間変化)

図3 計算結果(流量の時間変化)

解析モデルと条件(ガスホルダー有り)#

図4に示しますように、ガスホルダーを設置します。その他の計算条件は同じで、時刻300 sにブロワがトリップします。

図4 解析モデルと解析条件

図4 解析モデルと解析条件

解析結果(ガスホルダー有り)#

図5に計算結果(圧力の時間変化)を示します。
ブロワ出口(赤)では、ブロワ動力喪失で昇圧が下がり、圧力が下がっています。
ブロワ入口(緑)では、ブロワ動力喪失で流れが行き詰まり、慣性によって圧縮され、圧力上昇が起こっています。
消費点付近(黒)には、ガスホルダーがないときに比べブロワ入口の圧力波が伝播していないことが分かります。

図5 計算結果(圧力の時間変化)

図5 計算結果(圧力の時間変化)

図6に計算結果(流量の時間変化)を示します。
ブロワ出口(赤)、ブロワ入口(緑)の逆流傾向はガスホルダー無しと同様ですが、逆流の流量値が変わっています。ガスホルダー流量(流入が正符号)が青線で示されています。ガスホルダーにガスが流入していることが分かります。

図6 計算結果(流量の時間変化)

図6 計算結果(流量の時間変化)

図7に計算結果(ガスホルダーの圧力)を示します。
定常時(ブロワトリップ前)、ガスホルダーは10 kPaG付近で静定しています。
ブロワトリップ後、ガスホルダー内は圧力が上昇し、ガスが流入します。
これらの効果により、消費点への影響を緩和していることが分かります。

図7 計算結果(ガスホルダーの圧力)

図7 計算結果(ガスホルダーの圧力)

参考#

なし

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