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都市ガス-水素混合解析#

解析の背景#

都市ガスは燃焼時に CO2 を排出するが、水素ガスは燃焼しても水しか排出しないクリーンなエネルギーとして注目されている。政府が掲げるカーボンニュートラル(脱炭素社会)の実現に向け、既存の都市ガス導管網に水素を混合して輸送する「水素混合(ハイドロジェンブレンド)」の技術検討が進められてる。本手法は、水素専用のインフラを新設することなく、既存導管を有効活用して低コストで水素を輸送できる点がメリットである。混合水素の割合は数〜20% 程度で検討されている[1]。

解析モデル#

解析対象の導管網を Advance/FrontNet/Γ で図 1のようにモデル化した。本解析では末端を流量指定境界としており、強制対流が支配的で分子拡散および乱流拡散の影響が極めて小さいことが予想されたため、今回は拡散モデルを非考慮として計算を行った。


図 1 管路系モデル


各組成の熱量の数値は表 1の値を採用した。都市ガス 100% の場合と都市ガス 90% 水素 10% の場合のガス組成を表 2とした。ガスの状態方程式は SRK 式を使用した。


表 1 各組成の熱量(JIS K 2301/ISO 6976 より)
組成 メタン エタン プロパン イソ
ブタン
ノルマル
ブタン
ノルマル
ペンタン
水素
熱量
[MJ/Nm³]
39.84 69.79 99.22 128.23 128.66 158.07 12.788


表 2 都市ガスと水素 10% の場合のガス組成
(合計値が確認できるように細かい桁まで表示している)
メタン エタン プロパン イソ
ブタン
ノルマル
ブタン
ノルマル
ペンタン
水素 熱量
[MJ/Nm³]
都市ガス
100%
0.896955 0.0526 0.0313 0.008 0.0101405 0.001 0 45.00
都市ガス90%
水素10%
0.807264 0.04734 0.02817 0.0072 0.009126 0.0009 0.1 41.78

ガス組成 i=1,n に対し、Xi をモル分率、qi を組成の熱量とするとガスの熱量 Q は次の式で表される。

解析結果#

時刻 200s から 100s 間かけて、供給元から水素を 10% まで徐々に混入した場合の導管内の熱量の計算結果を示す。


図 2 計算結果(熱量の時間変化)

参考#

[1] NEDOプロジェクト資料、岩谷産業株式会社ら、「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/地域コミュニティのグリーン水素を利活用した水素混合LPガス事業」、2025.

関連ページ#