接触流入境界を用いた合流管流れの乱流解析#
概要#
シミュレーションの精度は、解析領域の入り口(流入境界)にどのような流れを設定するかに大きく左右されます。しかし、例えば「十分に発達した乱れを持つ流れ」といった現実的な条件を限られた計算領域内で作り出すのは困難です。そのような状態では、接触流入境界を用いた解析が便利です。接触流入境界は、現実的で複雑な流入条件を、効率的に再現できるという大きな利点があります。
解析条件#
ここでは、合流管流れの非定常乱流解析を行うことを考えます。上流から十分に発達した乱流場が流れてきて、そこに別の管が合流し、複雑な乱流場が発生します。まず、「十分に発達した乱流場」を作成する必要がありますが、限られた計算領域では流れ場を十分に発達させることは困難です。
ここでは、図 1のように「流入ドライバー部」という小さな領域を別に設け、そこで周期的境界条件を用いて流れを十分に発達させます。 そして、その乱流流れのデータを接触流入境界を介して本解析の領域(主管)に直接引き渡すことで、物理的に忠実なシミュレーションを開始できます。
図 1. 合流管流れにおける接触流入境界の利用例
解析結果#
図2は解析結果より乱流粘性値を示します。接触流入境界は赤丸位置で使用しています。赤丸の限られた領域ですが、接触流入境界を使用して「十分に発達した乱れを持つ流れ」を持たせることが出来ていることがわかります。
図 2. 解析結果、乱流粘性値、接触流入境界は赤丸位置で使用
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