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Advance/FrontFlow/redの専用サイトを開設いたしました。

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平行平板によるLESの基本検証#

概要#

LES(Large Eddy Simulation)の計算結果をDNS(Direct Numerical Simulation)(Kim, Moin & Moser (1987)のデータ)と比較します。 DNSは、乱流中の全ての渦を直接解像して、Navier-Stokes方程式を直接数値的に解く為、計算コストが非常に高いのに対し、 LESは、乱流中の大きな渦(Large Eddy)は直接解像し、小さな渦(Small Eddy)の影響はサブグリッドスケールモデルで近似することにより、DNSよりはるかに計算コストが小さく、効果的に計算することができます。 この検証では、両者を比較することで、LESはDNS相当の結果を得ることができるかの確認を行っています。

解析条件#

解析領域を図 1 に示します。節点数 246,078、要素数 258,048です。

解析領域

図 1. 解析領域

解析条件を表 1にまとめています。

表 1.解析条件

項目 設定
流体 非圧縮性流体
サブグリッドスケール LES (標準Smagorinskyモデル)
差分スキーム 2次中心差分
時間積分 Crank-Nicolson法
摩擦レイノルズ数 180(外力項を加える)

流体解析の基礎#

摩擦レイノルズ数 Reτ は、流体中の摩擦力と慣性力の比を表す無次元量で、 以下の数式で定義されます。

ここで、各記号は以下の意味を持ちます。

  • : 摩擦速度(摩擦力から定義される速度)
  • : チャネル半幅
  • : 動粘性係数

外力項の追加#

準定常的な流れを維持するために、粘性による抵抗(摩擦)を打ち消す外力項を加えています。

解析結果#

以下に解析結果を示します。図2は主流方向平均速度 [m/s]、図3は主流方向の速度変動(rms)[m/s]、図4は壁面方向の速度変動(rms)[m/s]、図5はスパン方向の速度変動(rms)[m/s]をぞれぞれ示しており、DNSとLESで良好な一致を示しており、壁付近の乱流構造を適切にとらえられていることがわかります。

・主流方向平均速度 [m/s]

解析結果

図 2.主流方向平均速度 [m/s]

・主流方向速度のrms [m/s]

解析結果

図 3.主流方向速度のrms [m/s]

・壁面方向速度のrms [m/s]

解析結果

図 4.壁面方向速度のrms [m/s]

・スパン方向速度のrms [m/s]

解析結果

図 5.スパン方向速度のrms [m/s]

(*)参考文献:Kim, J., Moin, P. and Moser, R.,"Turbulence Statistics in Fully Developed Channel Flow at Low Reynolds Number.",Journal of Fluid Mechanics,Vol.177,pp.133-166, 1987.

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