配管内の固気液三相流解析#
概要#
配管内を粉体と水と空気の三相が流れる解析事例をご紹介します。
解析条件#
図1に計算格子と境界条件を示します。
図1 計算格子と境界条件
解析条件 | 設定値 |
---|---|
次元 | 2 |
粉体の密度 | 5000 kg/m3 |
気体 | 空気 |
液体 | 水 |
粉体同士および粉体と壁面の衝突 | グラニュラーエネルギー保存方程式により考慮 |
固気の速度差 | 二流体モデルにより考慮 |
固液の速度差 | 二流体モデルにより考慮 |
気液の速度差 | ドリフトフラックスモデルにより考慮 |
流入速度 | 2 m/s, 0.5 m/s |
入口における固体の体積割合 | 0.3(均質な混合状態) |
入口における気合の体積割合 | 0.63(均質な混合状態) |
入口における液体の体積割合 | 0.07(均質な混合状態) |
粉体の粒子径 | 1 mm |
粉体の最密充填率 | 0.63 |
主流方向の格子数 | 80 |
壁面に垂直方向の格子数 | 10 |
時間刻み | 10-5 s |
解析結果#
流入速度を2m/sとした場合の粉体の体積割合と速度、水の体積割合と速度、空気の体積割合と速度を図2に示します。入口付近の水平配管内では、均質な混合状態で流入した粉体と水と空気は下流に行くにしたがって密度差により分離し、空気は上方へ粉体は下方へ流れました。上部の水平配管内では粉体と水と空気は発達した分布になりました。
流入速度を0.5m/sとした場合には、入口付近の水平管内で粉体の体積割合が最密充填率0.63に達し、詰まりました。その時の粉体の体積割合、水の体積割合、空気の体積割合を図3に示します。
粉体の体積割合 粉体の速度
水の体積割合 水の速度
空気の体積割合 空気の速度
図2 流入速度2m/sの場合の結果(定常時)
粉体の体積割合
水の体積割合
空気の体積割合
図3 流入速度0.5m/sの結果(閉塞時)
本解析でわかったこと#
高速時に密度差により分離して流れる固気液の分布、低速時に配管に詰まる粉体の分布がわかりました。今後、実験結果を使用し定量的な検証を行う予定です。
関連ページ#
- 気液二相流解析ソフトウェア Advance/FrontFlow/MP
- 解析分野:流体
- 産業分野:産業機械
- 産業分野:材料・化学