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DEBORA実験によるサブクール沸騰の検証解析#

気液二相流解析ソフトウェア Advance/FrontFlow/MP 事例

概要#

垂直円管内の強制対流サブクール沸騰について、フランス原子力庁グルノーブル研究所が実施したDEBORA実験によるボイド率と蒸気速度の半径方向分布[1]と比較した解析事例をご紹介します。

参考文献

[1] L.Vyskocil,J.Macek,"BOILING FLOW SIMULATION IN NEPTUNE_CFD AND FLUENT CODES", Czech republic(2010)1-13.

解析条件#

図1に解析領域と境界条件、図2に出口付近の計算格子を示します。2次元軸対称モデルを使用し、DEBORA実験の条件で解析を行います。

DEBORA実験におけるサブクール沸騰の検証解析
   図1 解析領域と境界条件  図2 計算格子(出口付近)    

解析条件 設定値
円管の内径 19.2 mm
円管の長さ 5 m
流体 フレオンR12
飽和温度 94.136 ℃ 
入口温度 72.65 ℃
入口のサブクール度 21.486 ℃
質量流束 1004.8 kg/m2 /s
入口速度 1.047 m/s
壁面からの入熱位置 Z=1~4.5m
壁面からの入熱量 58.26×103 kW/m2
気液二相流の扱い 二流体モデル
乱流モデル k-εモデル
重力加速度 9.80665 m/s2
次元 2
半径方向の格子数 8(等分割)
軸方向の格子数 500(等分割)
時間刻み 10-4 s

解析結果#

図3に、Z=4.5mにおけるボイド率と蒸気速度を時間平均した半径方向分布を示します。計算結果は実験結果と概ね一致しています。

DEBORA実験におけるサブクール沸騰の検証解析
        (a)ボイド率             (b)蒸気速度 
       図3 Z=4.5mにおけるボイド率と蒸気速度の半径方向分布

図4に、Z=4.5m付近のボイド率と蒸気速度の時間平均分布を示します。 DEBORA実験におけるサブクール沸騰の検証解析
        (a)ボイド率             (b)蒸気速度 
         図4 Z=4.5m付近のボイド率と蒸気速度の分布

本解析でわかったこと#

垂直円管内の強制対流サブクール沸騰について、DEBORA実験で得られたボイド率と蒸気速度の半径方向分布を概ね再現できることがわかりました。

関連ページ#