コンテンツにスキップ

水素漏洩拡散シミュレーション#

水素漏洩拡散シミュレーションに関する検証例を示す。

キーワード#

水素漏洩、拡散シミュレーション、非定常RANSシミュレーション、k- SSTモデル

解析の計算条件#

項目 設定
粘性係数の決定法 Dual time stepping LU-SGS法
疑似時間反復数
時間刻み sec 
計算時間 分 
格子サイズ ベント管を除く領域で
乱流モデル k- SSTモデル
流入水素の状態 気圧、、流入体積速度
化学種

計算に使用した格子#

  • 下側から15.2cm ×30.4cmの流入口から濃度100%の水素が流入し、その流入速度は実験[2]に合わせて2cm/sとしている。
  • 実験[1]では天井と側壁にベントが2か所設けられており、それらのサイズもそれぞれが15.2cm×30.4cmである。
  • 排気口の外側は空気で満たしており、本シミュレーションは解析対象の外側にも計算領域を設けた。
  • こうすることにより、ventから水素が排気される際の圧力損失を含めて自然に流体解析ができ、流出境界条件に関わる煩雑さを回避することができる。

水素漏洩拡散解析(実験値との比較)#

実験[2]では60秒で水素流入が開始され約300秒で一定値(約5%)に達する

中心断面内の水素濃度分布の非定常挙動#

  • 天井ベントから排気、側壁ベントから空気が流入する様子が見てとれる
  • 側壁ベントから流入する空気と天井の水素が逆行し不安定層を形成している
  • 圧縮性流体専用のアルゴリズムに非定常計算のための前処理法を組み込み、マッハ10万分の1程度の低速流れに対応している

シミュレーション結果#

時刻はシミュレーション開始からの時間

Advance/FOCUS-iソフトウェアで採用する低マッハ数流れのためのpreconditioningを含むdual-time steppingアルゴリズムは、マッハ数がM=0.1を遥かに下回る低速流から超音速流の範囲まで対応でき、また多化学種と非定常RANSシミュレーションにも対応し、浮力を伴う物質拡散現象を正確にシミュレートすることができる。

文献#

[1] 月川久義,金山寛,松浦一雄,井上雅弘:「部分開放空間に漏洩する水素の自然換気状態における非定常濃度変動の評価に関する検討」,水素エネルギーシステム, Vol.33, No.3, pp28-35 (2008)#

[2] 井上雅弘,月川久義,金山寛,松浦一雄:「室内における漏洩水素の拡散に関する実験的研究」,水素エネルギーシステム, Vol.33, No.4, pp32-43 (2008)#

関連ページ#