コンテンツにスキップ

キャビテーションを伴う解析事例(高速、V=102 m/s)#

解析の概要#

スーパーキャビテーション状態においては、物体に接する流体の大部分が気相であるため摩擦抵抗が減少し、尚且つ物体背面の低圧領域が飽和蒸気圧で保持されることにより物体を背後から推す効果が生じ、結果として水中をすり抜けるように物体が移動することが知られています。このような現象は“水中ワープ(Warp Drive Underwater)”と称されることもあります。Advance/FOCUS-iソフトウェアはこの現象をシミュレーション上で再現することが可能です。

解析条件#

高速の水媒体に置かれたオージャイブ形状周りのキャビテーション流について、検証計算を実施しました。ここでは、定量的な検証を実施することを目的として、Guoら[1]のOgive形状周りのキャビテーション実験を対象としました。水流速度102.3m/sであり、周囲圧は101,300Paです。

解析結果#

オージャイブ形状と円柱形状の接合部付近からキャビテーションが発生し、物体の殆どが気相で覆われるスーパーキャビテーション状態が再現されているのが見てとれます。実験では抗力係数が0.32です。一方、本シミュレーションでの抗力係数は0.31であり、水中キャビテーションの場合の定量的な予測が可能であることを確認しました。


参考文献#

[1] Guo, Z., Zhang, W., Xiao, X., Wei, G. and Ren, P., An investigation into horizontal water entry behaviors of projectiles with different nose shapes, International Journal of Impact Engineering, Vol.49 (2012), pp.43-60.

関連ページ#