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NSPP エアロゾル試験の検証解析#

BAROC コードに FP エアロゾルの沈着、凝集、重力沈降、熱泳動などの詳細な FP 挙動解析モデルを組み込みました。FP 挙動解析モデルの定量的な検証のため NSPP(Nuclear Safety Pilot Plant)エアロゾル実験を対象に BAROC コードを用いて検証解析を実施しました。

[1] R. E. Adams et al., NUREG/CR-1767(1981).

[2] R. E. Adams et al., NUREG/CR-4798(1987).



浮遊エアロゾル濃度の時間変化
  • NSPP-106 試験と BAROC による結果は概ね一致
  • NSPP 試験では下に凸だが、BAROC による結果は上に凸である。
    BAROC では湿性沈着や沈着粒子の再浮遊を考慮していない事が一因と考察する。



浮遊エアロゾルの粒径分布の時間変化
  • 粒子の凝集により粒径が大きい粒子の割合は増加するが、粒径が大きいほど重力沈降の影響を受けやすいため、粒径が小さい粒子の割合も増加する。
  • 長時間経過後は浮遊しているのは小さい粒径の粒子のみ



浮遊・沈着エアロゾル量の時間変化

NSPP-106 試験


NSPP-503 試験
  • 両ケースとも、床面への沈着が多い
  • pan※1 の加熱やファン ※2 による上昇流が天井面と衝突するか所への沈着も若干見られる。

※1:NSPP-106 試験の BURN PAN を指す。

※2:NSPP-503 試験の FAN-MIXER を指す。

【まとめ】#

  • BAROC のエアロゾル挙動モデルの定量的な検証を NSPP エアロゾル沈着試験を対象に行った

  • エアロゾル粒子の発生メカニズムや容器内の雰囲気などを正確に模擬できていないが、エアロゾル濃度変化は概ね実験に一致

  • 湿性沈着や再浮遊モデルの組み込みについて検討が必要

  • 福島第 1 原子力発電所のシールドプラグやオペレーションフロアへの沈着など実機解析への適用を検討中

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